『夏の海』と聞いて、まず何を思い浮かべますか?
たくさんの人で賑わう浜辺、空に浮かぶ大きな雲、波の音、音楽、ジリジリ照りつける太陽、潮の香り…。
同じ『夏の海』という単語から連想するものが人によって違うのは、記憶の違いのせいだけではありません。
人にはそれぞれ優位感覚があり、どの感覚を優先して使うかによって、思い浮かべる順番が変化するからです。
優位感覚とは、人がものごとを理解したり感じ取ったりするときに、自然と使いやすい『感覚の傾向』のことです。
人によって、視覚(目で見る)、聴覚(耳で聴く)、身体感覚(身体で感じる)のうち、どれを主に使っているかが異なります。
この違いはVAKとも呼ばれ、
A:Auditory、聴覚タイプ
K:Kinesthetic、身体感覚タイプ
として表されます。
コミュニケーションの場面でも、伝わりやすさ・伝わりにくさは優位感覚によって大きく左右されます。
たとえば視覚タイプの人には、身振りや手振り、アイコンタクト、表情などの視覚的な情報が伝わりやすい一方で、声のトーンや抑揚を変えても、あまり効果が感じられないことがあります。
そして、その『伝わりやすさ・伝わりにくさ』は、他者とのコミュニケーションだけでなく、自分自身に対しても同じように働きます。
瞑想は『脳波が落ちる』ことで深まっていく
瞑想が深まるとき、脳波はベータ→アルファ→シータへとゆっくり移行しています。
(※脳波についてはこちらを参照ください)
この脳波の変化において、どんな刺激が脳波を落ち着かせるのかは、人の優位感覚によって大きく異なります。
視覚タイプ(Visual)は『イメージが浮かぶと深まる』
- <特徴>
- ☑️ 頭の中の映像が鮮明だと集中しやすい
- ☑️ 色や光の変化に敏感
- ☑️ 景色のイメージ誘導に強い
- ☑️ 暗さや光量の調整が効果的
- <深まる流れ>
- 音→イメージが浮かぶ→視覚的な統一感が生まれる→心が落ち着く→脳波が落ちやすくなる
*視覚タイプの人は、音が直接脳波を変えるのではなく、イメージが脳波を落としていくタイプです。
聴覚タイプ(Auditory)は『音で直接落ちる』
- <特徴>
- ☑️ 声、音の微妙な揺らぎに敏感
- ☑️ テンポやリズムに呼吸が同調する
- ☑️ 音が整うと安心しやすい
- ☑️ BGMは控えめなほど集中できる
- <深まる流れ>
- 音→呼吸が整う→気持ちが緩む→脳波が落ちやすくなる
*聴覚タイプの人は、音→脳波という“最短ルート”を持つタイプです。
身体感覚タイプ(Kinesthetic)は『身体に意識が向くほど落ちる』
- <特徴>
- ☑️ 身体の重さ・温かさ・圧などに敏感
- ☑️ 姿勢や筋肉のゆるみが重要
- ☑️ 呼吸が深まると一気に落ちる
- ☑️ 環境の“心地よさ”が大事(椅子・空気・服など)
- <深まる流れ>
- 身体感覚に気づく→呼吸が自然に深まる→筋肉がゆるむ・身体が沈む→脳波が落ちやすくなる
*身体感覚タイプの人は、イメージでも音でもなく、身体の感覚そのものが脳波を緩めるスイッチになるタイプです。

誘導瞑想では誘導で『響き方』が変わる
瞑想には、音声や動画によるナレーション(ガイド)に従って行う誘導瞑想というのがあります。
誘導に従って、呼吸を整えたり身体の力を抜いていったりするので、瞑想に慣れていない人でも気軽に始められるのが魅力なのですが、同じ誘導でも、ある人は映像が浮かんで深まり、ある人は声のリズムで落ち、またある人は身体の重さに気づいた瞬間に入っていきます。
このように、脳波が落ちていくプロセスそのものが優位感覚によって異なるため、誘導によって『入り方』や『体験の深さ』が一人ひとり大きく変わってきます。
だからこそ、自分がどの感覚を優先して使っているかを知っておくことは、誘導瞑想をより深く、より豊かな体験にするための大切な鍵となります。
では、誘導瞑想も含めた瞑想の効果を最大限に引き出すにはどうしたらいいのでしょう。
心が静まるスイッチを見つける
優位感覚の違いによって、わたしたちは心が鎮まるスイッチをそれぞれ違う形で持っています。
そのスイッチが、イメージなのか、音なのか、身体感覚なのかを知ることは、より深く脳波を落とすための重要な鍵になります。
自分に合った感覚のルートを使うことで、脳波は無理なくアルファ波、そしてシータ波へと移行し、本来の癒しのプロセスが自然に働き始めます。
つまり、瞑想の効果を最大限に引き出すには、まず自分の優位感覚を知ることです。
それが判れば、自分が最も深くリラックスし、最も安全に心の奥に辿り着くためのスイッチが見つかるのです。
そして、自分がどの感覚を優位に使っているかを知るヒントは、冒頭の質問にあります。
『夏の海』と聞いて思い浮かべたもの、それがー
- たくさんの人で賑わう浜辺、空に浮かぶ大きな雲、キラキラ光る海面などのイメージ
→視覚タイプ - 波の音、音楽、人や鳥の声などの音
→聴覚タイプ - ジリジリ照りつける太陽の暑さ、潮の香り、足元の砂の感触
→身体感覚タイプ
以上を参考にスイッチを入れることができれば、同じ瞑想をするのでも質は確実に変わります。
あなたにとっていちばん自然で心地よい方法で、内側へと戻る旅を始めてみませんか。
そして、ヒプノセラピーを受ける場合でも、スイッチは大きな役割を果たしてくれます。
脳波がシータ波まで落ちた状態で体験するヒプノセラピーは、あなたの心の奥底を癒し、得も言われぬ素晴らしい体験となるでしょう。
当協会所属の講師やセラピストは、どの優位感覚のタイプにも寄り添った指導・誘導ができますので、ぜひお訊ねください。
