みなさんは、今、自分の人生をどんなふうに感じていますか?
「もっと〇〇だったら、幸せだったのに」――そう思うこと、ありませんか。
――もっと親が〇〇だったら
――もっとパートナーが〇〇だったら
――もっと〇〇な学校に行っていたら
――もっと〇〇な自分だったら・・・
そしてどこか「仕方ないよね。もう変えられないのだから」
と、哀しい気持ちをそっと心にしまっている・・・。
今回は、そんな気持ちを抱えるあなたに、『赤毛のアン』の物語を題材にして、
哀しい気持ちがゆるむヒントとともに、
そんなときにヒプノセラピーがどう役立つのか、
ご紹介したいと思います。
「赤毛のせいで、幸せになれない」――アンの哀しみ
この春、名作『赤毛のアン』がテレビアニメ「アン・シャーリー」として放送され、
劇場版も、全国でのリバイバル上映が話題になっています。
テレビアニメは、46年ぶりで、前回は昭和54年でした。
アンの物語を、懐かしく思い出される方も多いかもしれませんね。
アンは、自分の赤毛について、最初はこんな風に表現しています。
「今は、完璧に近いくらい幸せよ。
でも私、厳密にいうと、完璧には幸せになれないの。だって・・・
赤毛だから。
これは私にとって、生涯の哀しみになるんだわ」
この「一生、完全には幸せになれない!」「一生、哀しい!」
という
アンの気持ちが、
少しずつゆるんでいく場面を、ご一緒にたどってみましょう。
哀しみがゆるむ場面① “別の見方”を知る
「私、赤毛さえ違っていたら、ずっと幸せな人生を送れたと思うのに・・・」
と嘆くアンに、周りの人たちは、こんな声をかけます。
――養育者のマリラ
「赤毛はたしかに見栄えのするものじゃないけど、それで人生が決まるわけじゃないよ」
――マリラの兄・マシュー
「赤毛だっていいじゃないか。わたしには、まるで夕焼けの光みたいに見えるけどね」
――親友のダイアナ
「アンの赤毛、素敵だと思うわ。とっても目立つし、何よりアンにぴったりよ」
そんな言葉に触れ、
アンは少しずつ赤毛に対する「別の見方」を知っていきます。
哀しみがゆるむ場面② 「〇〇さえなければ幸せ」ではなかった!と気づく
アンはある日、髪を黒く染めようとしますが、結果は失敗。
“みにくい緑色”になりました。
「赤毛よりひどいものなんてないと思ってたけど、緑の髪の方が、十倍もひどいわ」
と、後悔します。
長い髪を切るという代償もあった経験でしたが、アンにとって大きな気づきになりました。
哀しみがゆるむ場面③ 〇〇だったから今がある、と思える
アンは、その後、師範学校の入試で、みごと首席合格を果たします。
猛勉強の背景にあったのは、
赤毛を「にんじん」とからかわれ、憎みを抱いたライバルのギルバートの存在でした。
赤毛をきっかけに生まれた強い競争心が、この結果につながったことを、アンは自覚します。
物語の終盤には
「この髪の色も、私の一部――だから今は、赤毛のままでいいと思えるの」
こんな風に言えるまでに気持ちは、変化したのです。
「赤毛のせいで、一生幸せになれない」という哀しみは、すっかり解消されました!
ヒプノセラピーだからできる 大人の心の傷の癒し
このような心の傷の解消を、大人にも可能にするのが、ヒプノセラピーの手法です。
私たちの心の傷は、いつごろできたかというと
このころのアンと同じ、10歳頃より前の幼少期です。
幼い自分が感じたことは、いまは記憶にないかもしれません。
でも、今も、あなたの「心の奥」のどこかに必ずあります。
心の奥にいる、「傷ついた!」と感じた幼い自分に会いに行き、
「哀しかったね、嫌だったね」
と、幼い自分をなぐさめ、
「でも、もしかしたら、こんな見方はできるかな?」
と寄り添って、やさしく対話し、
そして、心の奥の、幼い自分の気持ちがほっとゆるんだら…
大人のあなたが今抱えている心の傷も、癒されていく可能性がとても高いです。
ヒプノセラピーは、心の奥で、こうした対話を導き、心の傷を解消することのできるセラピーです。
(ここでいう、「心の奥」とは「潜在意識」を指します。
「潜在意識」のさまざまな働きについては、今後、ほかの記事でわかりやすくご紹介していきますので、よろしければぜひ読んでみてくださいね)
また、ご紹介したような、アンの学びは、
すでに大人の私たちは「頭では分かっている」状態であることが多くあります。
――頭では、別の見方があることは分かってる
――頭では、〇〇さえなかったら幸せ、でもないことは分かってる
――頭では、〇〇だったから、今の自分がある、と分かってる
でも・・・心の底から、そうは思えない。納得していない。
そんな場合にも、
ふだんの状態ではなかなか聞こえない、
「心の奥の声」をしっかり聴いてあげることが大切になります。
こうした「心の奥の声」との対話を可能にするのも
ヒプノセラピーです。
最後に~自分の哀しみは誰にもわからないと思っているあなたへ~
なぜアンの物語が、今も世界中で読み継がれているのでしょう。
きっと、多くの人が、アンと同じように
「できたら手放したい哀しみ」を、
心に抱えているからだと思います。
今あなたが、自分の中の哀しみに気づいているのでしたら、
それはとても大切な一歩です。
哀しみを手放して、「自分は幸せ」と心から言えるあなたになるために。
ぜひ次の一歩を踏み出して、
あなたも、ヒプノセラピーを体験してみませんか。
(野崎壱子)